年齢を重ねるにしたがって、増える髪の悩みの一つといえば白髪ですね。
白髪は、年齢とともにどうしても増えてしまうものですが、あまりにも量が多いと実年齢よりも老けた印象を与えてしまうため、白髪染めをしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、「なんで白髪が生えるの?」という疑問に対し、白髪ができるメカニズムや、白髪を増やさないための工夫について説明します。
髪の色はどうやって決まる?
日本人は、一般的に黒髪の方が多いですが、世界的に見るとブロンズや金髪など、髪にはさまざまな色があることが分かります。この色の違いは、髪の中にあるメラニン色素の色と量がもたらしているものです。
黒褐色のメラニン色素の量が多いと黒髪になりますが、髪の中にメラニン色素がほとんど含まれていないと白髪になります。一方で、髪が毛根で作られた直後の状態は、メラニン色素が含まれていないため、白髪の状態です。
髪の毛は白髪で生まれた後に黒髪として育っていきます。この黒髪になっていくプロセスはどのようなものでしょうか。
それには、まず毛髪ができるメカニズムを知る必要があります。毛根の先端にある毛乳頭は、毛細血管から養分を取り込んだ後、周りにある毛母細胞に栄養を与えるのが役目です。
そこで養分を得た毛母細胞は、常に分裂を繰り返すことにより、毛髪を作り出します。
毛母細胞の周りには、色素を生成する細胞「メラノサイト」があり、ここで髪の色を与えるメラニン色素が生成されます。毛母細胞によって作られたばかりの髪は白い状態ですが、成長する過程において、メラノサイトからメラニン色素を取り込むことで黒くなります。そして、最終的に頭皮から押し出されるようにして、黒い髪が外へ外へと伸びていくという仕組みになっているのです。
髪を黒くするには、メラニン色素が必要で、それはメラノサイトで作られると説明しましたが、そのメラニン色素を作るためには、「チロシナーゼ」という酵素の働きが不可欠です。
このチロシナーゼが加齢などにより減少することで、メラノサイトの機能が低下してメラニン色素が作られなくなるために、黒い色が付いていない状態のまま、髪が伸びていくのです。
この色が付いていない髪は、光に反射して白く見える、つまり白髪であるわけです。また、メラノサイトそのものが死んでしまうこともあり、この場合も白髪となって現れます。